世界広しと言えども唯一無二の傑作。アワビを用いた魚醤【あわびの精】

こんにちは、「すしログ」を運営している、HN「辣油は飲み物」です。

すしログ 〜The Encyclopedia of Sushi〜

好き嫌い無し、世界を食べ歩いて作る!がポリシーです。

 

当ブログでは伝統調味料も積極的にご紹介しており、魚醤についてはファンを増やしたいと考えています。

タイのナンプラーに馴染んだ現代人であれば、日本の伝統調味料・魚醤の魅力もきっと再発見するはず!

そこで、今回は大変珍しい鮑(アワビ)を用いた魚醤を発見したので、入手して記事を書きました。

岩手県大船渡市で作られる【あわびの精】と言う魚醤で、生産量の少ない逸品となります。

f:id:edomae-sushi:20200802180712j:plain

 

 

香港でトップクラスの扱いを受ける、日本の干しアワビ【吉品干鮑】とは?

なぜ大船渡で他に類を見ない鮑の魚醤が生み出されたかと言うと、実は大船渡が世界に誇る干しアワビの名産地だからです。

県内の海域で獲れる大型の蝦夷アワビは干しアワビに加工され、世界的な高評価を得ています。

具体的な名産地の名は、大船渡市三陸町にある吉浜(よしはま)。

吉浜の干しアワビは【吉品干鮑(きっぴんかんぽう)】と呼ばれ、香港でも【吉品鮑】で通用しています。

価格としてはトップクラスで、他国の他の産地を凌ぐ高級干しアワビとなります。

f:id:edomae-sushi:20200803222740j:plain

写真:香港の乾物屋さんにて…1斤=605グラム11.9万円=キロ19.7万円!

 

大船渡では江戸時代から干しアワビが作られていて、その頃から中国に輸出していたと言う長い歴史があります。

その後、明治時代に事業化を図り、ブランド化にも成功し、今の地位を確立しました。

それ故に「吉浜鮑」ではなく「吉品鮑」と表記する訳ですね。

それと言うのも、中国では「吉」と言う漢字は大変良い意味合いを持つので、「浜」を「品」に変えて、「幸運をもたらす品物」と言う意味にしたと言う事です。

ビジネスのセンスとブランディングの重要性を商品名から学ぶ事が出来ますね。

 

そのような名産地で、乾物に使えない肝を巧みに利用したのが【あわびの精】です。

普通の業者が鮑の肝を仕入れて魚醤を作るとなると原価がハンパ無い事になるので、素晴らしい方法だと思います。

食材のムダが無く、生産者と消費者の両方に嬉しい調味料開発ですね。

アワビ魚醤【あわびの精】を開発するメーカーとは?

【あわびの精】は岩手県大船渡市の「野村海産」の鮑の肝を、盛岡市の老舗醤油会社「浅沼醤油店」が発酵、熟成させて作った魚醤との事です。

市を超えてお互いの強みを活かした銘品開発するなんて、素晴らしい試みですね。

これぞ、地方の面白さだと感じます。

 

浅沼醤油店さんは、エゴマやマスタードの発酵調味料で特許と取得されていたり、盛岡の第一学院高等学校の学生さんと調味料を開発されていたり、岩手県各地域と連携してOEM開発されたりと、大変先進的な試みをされているメーカーです。

1914年に創業された老舗でありながら、未来に挑戦する姿勢が素晴らしいと感じます。

こう言ったメーカーが地元にあれば、Uターン就職しても楽しそうだな…と思いました。

Uターン就職ではなくとも、実業家としてOEM調味料で一旗揚げる夢がある気がします。

三陸の海が育む魚醤の傑作!【あわびの精】の比類ない美味しさ

 【あわびの精】をダイレクトに体感すべく、得意のTKGにしました。

良い醤油を入手すると、TKGにしたがる性分です、自分。

f:id:edomae-sushi:20200803222745j:plain

魯山人醤油の記事で書いた「ご飯に卵白のみ混ぜて、醤油をかけてから卵黄を混ぜる」方法で頂きました。 

肝心の【あわびの精TKG】の味わいとしては、超絶濃厚なアワビの肝の風味に心から驚かされました。

一口頂き、これは…高級鮨店で出てくるアワビの肝混ぜご飯の味ではないかと!

ほんと濃厚・濃密すぎる味わいで、ついつい失笑しながら驚いたものです。

 

そこで、もう少し軽やかに頂いてみようと試みたのがビーフンです。

f:id:edomae-sushi:20200802180717j:plain

【あわびの精】を純米酒で割って使いました。

すると、アワビの肝の風味・旨味が良い感じにビーフンに浸透し、これは抜群でした。

箸が止まらない味わいですね。

大量に使うと勿体ない調味料でもあるので、割って浸透させるのはジャスティスかもしれません。

そのまま使うと本当にダイレクト過ぎて食材を超えてきますし(笑)

 

結論として、これは誰しもの記憶に鮮烈に残る味の調味料だと感じました。

乾物の副産物として肝を利用している点も、今日の価値観的に良いですね。

生産量は少ない調味料かもしれませんし、入手経路も限られてきますが、アワビの肝や魚醤が好きな方ならば、手配して損の無い逸品だと思います。

 

大手ECサイトでのネット通販はしていないようなので、浅沼醤油店さんの運営するサイト経由で入手可能です。

www.kurabiyori.jp

 

【参考記事】

魚醤好きならば、いしりの記事もございます。

ナンプラーの比較記事もございます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です