FEAST〜すしログ御馳走帖〜

全国を食べ歩く鮨ブロガーがオススメする、外さない食の情報。

TKG(卵かけご飯)と最強の相性を誇る醤油!湯浅醤油の傑作【魯山人醤油】

こんにちは、「すしログ」を運営している、HN「辣油は飲み物」です。

すしログ 〜The Encyclopedia of Sushi〜

好き嫌い無し、世界を食べ歩いて作る!がポリシーです。

 

今回オススメするのは、筆者がTKG(卵かけご飯)に最も合うと考えている、その名もビックリ【魯山人醤油】となります。 

どれくらい合うかと言うと、食べた翌日、ヘタすると翌食も食べたくなるほどです。

魅力を熱くご紹介致します。

 

さて、いきなりですが、日本における「醤油発祥の地」は何処かご存知でしょうか?

幾つかの説がありますが、一説によると和歌山県有田郡湯浅町と言われています。

伝承によると「湯浅醤油」は1258年頃にまで遡るとか。

紀州の法燈円明国師(お坊さん)が、中国から金山寺味噌の醸造法を習得して帰国したことが、日本における味噌・醤油づくりのスタートになったと言う伝承です。

 

「湯浅醤油」は江戸時代には紀州藩(徳川御三家)の庇護を受け、関西、特に大都市である京都、大阪でブランド化されました。

湯浅町役場のwebサイトによると、江戸時代には「人家1,000戸の湯浅に92軒の醤油屋が軒を並べていた」ほど。

家屋の10%近くが醤油蔵とは圧巻…街はさぞ醤油くさかったことでしょう(笑)

時が経ち現在は数軒になってしまいましたが、醤油の質は全国でもトップクラスです。

現在「湯浅醤油」を造っているメーカー

湯浅町で現存する醤油蔵は4つとなります。

  • 湯浅醤油有限会社(1881年創業・丸新本家の子会社) ※今回ご紹介する醤油蔵
  • 小原久吉商店(1844~1853年頃の創業)
  • 角長(1829年創業)
  • 久保田醤油醸造場(創業年不明)

 

なお、湯浅町以外にも醤油蔵は点在しています。

  • 則岡醤油醸造元(有田市)
  • カネイワ醤油本店(有田郡有田川町)
  • 堀河屋野村(御坊市)
  • 檜屋(由良町)

堀河屋野村さんは【三ツ星醤油】、檜屋さんは【天狗しょうゆ】が有名です。

そして、【三ツ星醤油】は『美味しんぼ3巻(1985年)』で紹介されました(※当時は社名・商品名を伏せていたので明示されてはいませんが)。

【湯浅の街の雰囲気が分かる優良記事】

湯浅醤油(丸新本家)さんの【魯山人醤油】とは?

稀代の食通である北大路魯山人の啓蒙活動を行う、京都の「魯山人倶楽部」と湯浅醤油がコラボして生み出した醤油です。

「コラボ」と言っても決して軽薄なものではなく、構想5年、完成に3年もの年月をかけて開発された傑作となります。

誇張無く言っても、ふだん醤油の味を意識しない人でもビビるくらいに美味しい醤油だと思います。

そして、TKG(卵かけご飯)で頂くと、桁外れの美味しさを発揮します。

もう感動モノ!

TKGと言えば、「たまごかけご飯のタレ」がブームになったことがありますが、【魯山人醤油】は比較にならないほどTKGに合います。

その理由としては、【魯山人醤油】が持つ香りと甘み、旨味です。

一般的な「タレ」には砂糖由来の甘みがあり、鰹・昆布・椎茸の旨味が加えられていることが多いですよね。

ヘタすると化学調味料(アミノ酸)が使われていたり、アルコールが添加されていたりすることもあります。

しかし、【魯山人醤油】は無添加で、大豆・米の甘みと旨味のみで勝負して圧勝します。

卵と醤油が美味しければ、余計な甘みや旨味は不要!

 

マジで美味しい【魯山人醤油】

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あたかも赤ワインのような見た目で、「ラベル」と言うよりも「エチケット」。

ぶっちゃけ、パッと見は少し怪しいですが、上質な赤ワインと同じくらい手間が掛かっているので納得します。

醤油の色も黒めで、見た感じ「濃口醤油」ですが、実際には「薄口醤油」の配合で作られています。

一般的な「薄口醤油」よりも長く、木桶で8ヶ月寝かせているための色合いですが、驚くべきことに旨味成分は一般の醤油の1.6倍にもなるそうです。

「濃口醤油」よりも旨味が強い「たまり醤油」を超える自然の旨味とのことです。

魯山人が「薄口醤油」を好んでいたため、「薄口」志向で仕上げたそうです。

 

情報はさて置き、お皿に入れてみると、醤油好きならば香りに魅了されます。

そんなに醤油好きでない方は香りにお腹が空きます。

そこで、ペロッと舐めてみると…

しょっぱいです。

これについては、僕がバカなのではなく、人間が美味しいと実感できる塩分濃度は0.8~0.9%程度であるためです。

量が多いと塩味(えんみ)が先行するに決まってます。

なので、調味料を判別する時は、多量よりもごく少量の方が実は分かりやすいのです。

なので、1滴を舐めてみると…

醤油の甘みに驚きます!

そして、刺々しさが無く、旨味が強いのに濃くありません。

美味しい「濃口醤油」はコクに加えて香りも強いですが、【魯山人醤油】は香りが上品でコクが桁外れ。

 

そこで、TKG(卵かけご飯)をしてみます。

【魯山人醤油】を用いてTKG!しかも、4パターンを食べ比べ!

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TKG(卵かけご飯)の「作法」については人それぞれですが、何が【魯山人醤油】に最も合うか、試してみました。

  1. 全卵に醤油を溶いてから、ご飯にかける
  2. ご飯に醤油を混ぜてから卵白を混ぜ、最後に卵黄を混ぜる
  3. ご飯に卵白のみ混ぜて、醤油をかけてから卵黄を混ぜる
  4. 卵黄のみ使用して、醤油をかける

判断のポイントとしては「卵も醤油も両方美味しく感じる点」です。

2については、よしながふみさんのマンガ『きのう何食べた?(16巻)』で紹介されていた作法です。

通常は僕もこの作法を採用しています。

しかし!【魯山人醤油】との相性で考えると、最も良かったのは3です。

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卵の味を感じながら醤油の味も満喫出来ました。

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2はご飯・卵・醤油の一体感が高すぎるので、醤油の良さを引き出しきれないと感じました。

なお、高級醤油なので清水の舞台からダイブして炊き込みご飯(具はトウモロコシ)にも使ってみましたが、敢え無く【魯山人醤油】の良さが分かりづらいと感じました。

煮ものも含めて高温で調理するのは最適ではなく、後掛けや仕上げに使うと良いと思います。

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魯山人のように混ぜまくった納豆に後がけでも良し。

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濃厚な味わいの湯葉との相性は感涙モノです。

湯葉はスーパーではなく良い豆腐屋さんで入手しましょう!

 

【魯山人醤油】の原材料について

原材料は、大豆、小麦、米、塩のみ。

醤油造りで珍しい「米」が使われている理由については、魯山人の時代(大正~昭和初期)の味を再現するためとのことです。

穀物の産地は全て北海道。

大豆は折笠農場産 「大袖の舞」、小麦は同農場産「ハルキラリ」、お米は太田農園「ゆめぴりか」。

なんと全てが無肥料・自然栽培と言うので驚きです。

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ちなみに、商品には「魯山人醤油・読本」と言う小冊子が付いてくるので、【魯山人醤油】の魅力が一目瞭然です。

コダワリの調味料や食材に、こう言った冊子が付いてくると嬉しくなりますよね。

…ただ、紹介されている御料理について、何故か器のセンスがヤバ過ぎるのは完全に謎です(笑)

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北大路魯山人は「器は料理の着物」と言う名言を残し、料理の為に自ら作陶した芸術家です。

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醸造にこだわり抜き、間違いなく美味しい【魯山人醤油】の紹介冊子なので、これは流石に画竜点睛を欠くな〜と感じました。

醤油の味とは無関係ですが、なるべく早めに改善された方がよろしいかと思います!

 

それはさておき、僕は【魯山人醤油】に感銘を覚えたあまり湯浅醤油さんに行ってみたことがあります(東京から590km=車で約7時間)。

湯浅醤油さんは観光スポットとしても面白く整備されていて、醤油の味比べが出来る点が魅力的でした。

訪問して良かったな〜と心底感じました。

【魯山人醤油】以外だと、丹波黒豆を使用した2年間熟成の【生一本黒豆醤油】も美味しかったので特にオススメです。

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あとは【醤油ソフトクリーム】も予想以上の完成度でしたよ!

 

最後に、【魯山人醤油】は数量限定品となり、ボトルにシリアルナンバーが記載されています。

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もしも売り切れてしまった際には、翌年の3月23日(魯山人の誕生日)に発売されるので、発売日を待ちましょう。

 

大体どこのショップでも入手可能です。

【魯山人醤油】

【生一本黒豆醤油】

ちなみに、文中で言及した堀河屋野村さんの【三ツ星醤油】はかなりの濃口です。